歯科ドックとは?痛くなる前の歯科検診で全身の健康を支えよう

歯科+人間ドック? 耳慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、近年では歯科ドック(デンタルドック)という歯科検診が登場しています。歯医者さんへは歯が痛くなってから行くのではなく、現在の歯の状態を知る&トラブルの種が潜んでいないかをチェックする時代。検査内容やわかること、料金までじっくり解説します。

歯科ドックとは|口腔内のトラブルが全身の健康をおびやかす!?

全身の健康状態を知り、疾患のリスクがないかを調べるのが人間ドックですが、簡単にいえばその「お口の中」バージョンが歯科ドックです。口腔内を検査し、虫歯や歯周病といった疾患が見つかった場合にはもちろん治療することになりますが、歯科ドックではそれ以外の疾患リスクが潜んでいないかも調べます。

病気のリスクを事前に知ること、そしてその原因を探って対処することで、口腔内の健康を守ることにつながります。早期発見と早期治療が重要というのは、胃や大腸、脳、心臓といった全身だけでなく、口腔内にもいえることなのです。 定期的な歯科ドックを受診することにより、以下のようなメリットが考えられます。

  • 早期治療による医療費の削減
  • 診療時間の縮小や回数の削減
  • 体への影響(歯を削る・抜く)が減少
  • 全身疾患の悪化を防ぐ

参考:出典:ジャパンオーラルヘルス学会(旧 日本歯科人間ドック学会)

口腔トラブルを早期のうちに発見・対処することで、歯科の治療期間が短くなり、体への負担が少なくなるというのは理解できますが、「全身疾患の悪化を防ぐ」とは? 詳しくは後半で解説します。

歯科検診との違いは「治すだけじゃない」「繰り返さない」

これまで、歯科は治療してもらうために行く場所という方が多かったでしょう。しかし虫歯や歯周病の原因は人それぞれ。噛み合わせなど骨格の問題や、食生活、生活習慣などの関連も軽視できません。痛みの元を無くすという対症療法だけでは、再び同じトラブルに見舞われる恐れがないとは言い切れません。

そこで、歯科ドックでその方の口腔内をしっかりと調べ、疾患リスクをいち早く見つけること、そしてそれぞれの方にとって適切な対応をすることが、今後のお口の健康をキープすることにつながるのです。

歯周病が動脈硬化につながるって本当?

心臓に血液を送る血管が狭くなり、血管のはたらきを弱めてしまう「動脈硬化」。これまで食生活や運動、ストレスといった生活習慣が要因だとされてきましたが、別の因子として歯周病原因菌による影響が考えられるようになりました。歯周病原因菌が、血管内にプラーク(脂肪性の沈着物)を作り出す刺激となっているという説です。動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞につながります。 歯周病の人は、そうでない人と比べ2.8倍も脳梗塞になりやすいと言われているとか。動脈硬化の予防のためにも、歯周病の予防、治療は有用といえるかもしれません。

出典:日本臨床歯周病学会「歯周病が全身に及ぼす影響

歯科ドックでわかること|口腔がんのリスクチェックも

歯科ドックの検査内容は医療機関によりさまざまですが、

  • 問診
  • 顎関節の検査(レントゲン撮影など)
  • 虫歯、歯周病の検査
  • 粘膜の検査
  • 唾液中の細菌検査
  • 噛み合わせ検査

といった検査が一般的で、医療機関によりオプション検査が選択できるケースもあります。 ちなみに「粘膜の検査」は舌やほほの視診・触診が行われますが、口腔がんのリスクを調べることにつながります。口腔がんとは、舌、歯茎、口腔底(舌の下)などにできるがんのこと。国立がん研究センターがん対策情報センターの発表によれば、2019年は年間で7,764人の方が咽頭・口腔がんで命を落としています。人間ドックだけでなく、定期的な歯科ドックの受診も私たちの健康管理・維持に有用だといえるでしょう。

検査コースの金額感と所要時間

歯科ドックに含まれる検査内容と同様に、金額も医療機関によって異なりますが1万円〜2万円、所要時間は1時間30分〜2時間前後のケースが多いでしょう。オプションとして追加できる検査もさまざまですので、詳細は各医療機関のホームページや情報サイトにて比較検討のうえで選択してください。

まとめ|何もなくても定期検診が大切!歯科ドックを活用して

治療時に耳にする特有の音や振動などから、歯科が苦手という方は少なくないでしょう。歯科は多くの方にとって、歯が痛む時、治療した箇所が外れてしまった時、歯茎や口腔内に違和感がある時など、「何かがあったとき」に行く場所だったかもしれません。しかし、自覚症状が現れる前に口腔の現状を知ることで、今後の疾患を可能な限り予防することが可能となります。人間ドックだけでなく、定期的な歯科ドックの受診も私たちの健康管理・維持に有用といえるでしょう。

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